葛飾北斎『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』

遠くに見える富士山、激しく渦巻いて崩れ落ちる波がこの作品の特徴です。
北斎の作品は、静と動のコントラストや、遠近法などの西洋絵画の技法を取り入れたダイナミックな構図が特徴で、うねる大きな波や打ち寄せる波頭、波に翻弄され船上で無力にうずくまる人々の姿などが、さまざまな青の色合いで美しく描かれています。

葛飾北斎 オーパス・マグナ「富嶽三十六景」

場所や時間によって変化する対象の表情を多様に描いた葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」シリーズ。
当初、このシリーズはタイトル通り36図で完結する予定でしたが、好評のため10図が追加され、計46図となりました。（最初の36図は表富士、残りの10図は裏富士と呼ばれています。）富嶽三十六景が刊行されたとき、北斎は72歳でした。老齢になっても飽くなき創作意欲が伝わってくる傑作です。

浮世絵師 葛飾北斎

葛飾北斎は江戸時代後期に活躍した有名な浮世絵師です。卓越した描写力と想像力をもとに、生涯で3万点もの作品を制作し、『富嶽三十六景』や『北斎漫画』など多くの傑作を残しました。その作風は日本のみならず、ゴッホなどの印象派の画家や、ジャポニスムの渦中にあった19世紀の西洋の職人や音楽家にも大きな影響を与えました。

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